夕方から強くなった風は、一晩中止むことがなかった。
山荘の布団はとても温かく、むしろ全部使うと暑いぐらいだったが、夜中に目が覚めた時ノドが酷くガラガラとしていることに気がつく。枕元に置いたナルゲンから水を何回か飲んだが、少し様子が変だ。
再び寝て起きると、午前6時前だった。気温はマイナス0度前後で10m以上の風が北東方向から吹きつけていた。
山荘の窓から見ると雲が重く空を覆っていたが、早朝の神事に出た人によると、すこしだけ御来光が見えたそうだ。
それよりもどうも体の様子がおかしい。少し気だるく幾分気分も悪いので、食欲も余り無い。
どうも風邪が完治してなかったのだろう。発熱はしていないようだが、このまま状態が進行すると困るな~と思いながら朝食を食べた。TVの天気予報だと、今日は曇り、明日は晴天だが気温が更に下がる予想だった。
多分瓶ヶ森まで縦走するのは出来そうだが、風邪をひいた状態でマイナスの気温の中テン泊するのは、余り賢明では無いだろう。
更にこの強風は、多分目の前に見えている瓶ヶ森にも吹いている感じだ。つまりどうなるかは、昨年経験している。
風邪薬も持参しているが、これを使う時は、下山だと前から考えていた。
いろいろ考えたが、結局今回はここで下山することにした。
レインウエアの上下を着て、アウターグローブをして山荘を出た。(7:43)
堂ヶ森への稜線を、まるで生き物の様に越えて来た雲が、天狗岳の上を飛ぶように通過して行く。
山荘から下山し始め三のクサリを過ぎた辺りから風が弱くなってくる。
風向きの関係でブランケットのなっているのだろう。
全く使用せず無用の長物となったテン泊道具が入った大型ザックを背負ってゆっくり階段を降りて行く。
途中で工事関係の人達が降りて来たので、先に行って貰った。
石鎚山が風をブロックした状態になっている様だ。風向きはほとんど北のようだ。
二のクサリ下の土小屋との分岐に来た。
ここまで順調なので、このまま縦走を続けられるのではと思っていた。どうしようか5分ぐらいここで迷った。
単独の山行なので、人に迷惑をかけるリスクは排除するべきだ。
また来年くれば良いさ。
夜明け峠まで降りて来た。(8:31)
振り返ると石鎚がガスの中から少しだけ見えていた。
帰りのバスの時間まで、結構余裕があるので、ゆっくりと降りて行く。
試しのクサリ場の上まで来た。
今度来るときは、こんな大荷物で無く、クサリ場を楽しめる格好で来よう、
成就社に向かって降りて行く。まだ朝が早い時間だが、数組の登山者に会う。
やはり人気の山域なんだ。
八丁からは、ゆっくりとした登りになり、今回では、この辺りが一番紅葉が綺麗だった。
大分降りて来たが、気温は多分10度以下の感じだ。もう成就社は、直ぐ先だが、幾分時間が余り気味なので成就社で時間を少し潰そう。
昨日の往路では、結構降りた感じだったが、それほど降りてはいなかった様だ。
こんな感じの登山道を抜けたら、成就社に到着した。(9:49)
縁台の様な所でザックを降ろして休んでいると、年配の登山者の集団が、登山道に向かって行った。
騒がしい喧騒が過ぎ去ると、平日の成就社は、閑散とした静けさに戻った。
今日の幾分冷たい気温が、余計に閑散とした雰囲気を醸し出していた。
さて時間潰しにスマフォを予備のバッテリーで充電する。山荘に着いた時は、フルに近かったのに一晩で充電が必要の警告が出た。
それにも増して不可思議だったのが、昼間は嫁さんとメール出来たのに、夜になると圏外になっていた。
何か変だぞソフトバンク。会社のドコモの携帯は、バッチリだった。
そろそろ降りるかと成就社から下山を開始する。(10:07)
途中西ノ川への登山道に分岐に出るが、地図だと下まで1時間30分程度。う~これではバスの時間にギリだ。
面白そうだが、素直にロープウェイの駅に向かった。
ロープウェイ駅の展望台まで降りて来た。
前方の鍋ヶ森の上の方がガスで見えない。
ロープウェイから降りた人達が居た展望台は、あっと言う間にkm-surfだけの閑散とした広場になった。
ダラダラと時間を潰しながらロープウェイ駅に到着。(10:45)
11時の便を待ちながら、自販機でココアを買って飲んだ。
11時の下りの便の乗客はkm-surfだけ。昨年工事していた西ノ川の道路は、綺麗に完成しているのが上からも見えた。
ロープウェイ駅から、西ノ川のバス停まで歩く。12時の発車だが、11時20分ぐらいにはバスは来て停車しているので、乗り込んで発車を待った。
その後伊予西条の駅に12時58分に到着。昨日取った31日のしおかぜ18号の指定席を今日の便に変えて貰った。
帰りも最後尾の席でザックを席の後に放り込み、席に沈み込んだ。丸亀からウトウトとしてしまい、目が覚めたら児島だった。
今回の山行はイロイロとドタバタした感があるが、これも経験と言う感じだ。
<<風邪の具合は>>
帰宅後もやはりノドがガラガラして、タンが絡む感じで、体温計で計るとほんのちょっと微熱があった。
帰宅後直ぐに風邪薬を飲んで、山荘と同様21時には就寝した。
翌日も薬を飲みながらゆっくり休んだら、午後からは回復して日帰りの山行程度ならOKな感じになった。
しかし下山した日に起きた時は、ほんと気持ち悪くて、吐き気がしないか心配だった。
<<山小屋はどうだった?>>
設備とか何の不自由も無い所だったが、慣れないせいかテン泊でのリズムと違うので、全てが微妙な感じだった。
これはこれで慣れが必要だ。
<<カイラッシュは使える?>>
今回の山行にカイラッシュを使った。
カイラッシュ本来の用途とは、幾分違うと思うが、個人的には十分使えるを思った。
今回のザックの重量は、幾分軽量化を図り12K程度だったが、靴が軟くてダメだと言うことは全く無かった。
km-surfの行くテン泊のほとんどは、これで行けるのでは無いかと思ったが、2泊を越えるテン泊だとジワリと足にくるのかも知れない。
ただ日帰りの山行と変えた点があり、ソックスを変えている。普段使っているスマートウールのハイクでミドルからトレックのヘビーに変えた点ぐらいだ。
総距離(沿面距離) 6,233m +353 -1156
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